動画を編集して投稿して収益を得る手段として第一にはYouTubeでの収益化が候補に挙がりますが、編集に手間がかかる場合や、初期の再生数を伸ばすのにかなり苦労する点などから昔よりもハードルが高くなりました。一方で、近年では短い動画の投稿サービスとしてTikTokも動画投稿から収益化する手段として選択肢に挙がるようになりました。
本記事では、実際にTikTokで収益化をする際に留意しなければいけない条件や方法、実際にどの程度稼げるのかについて概要を紹介します。
主な稼ぎ方
TikTokの主な稼ぎ方は、クリエイター報酬(Creator Rewards Program)と呼ばれる1分以上のオリジナル動画の実績、ギフティングやLIVEサブスク、広告・EC・ブランド連携の三系統のルートが存在します。TikTokの収益化の開始ハードルは機能ごとに異なるので、自分の現状(フォロワー・直近視聴数・ジャンル)に合う順で開放していくのが最短です。これら収益化のルートはYouTubeとも共通する部分もあるので、すでにYouTubeで収益化をしたことがある場合には参入しやすいといえるでしょう。
Creator Rewards Program
TikTokのCreator Rewards Programの参加条件は、対象国に居住し、18歳以上(韓国は19歳)の個人アカウントであることです。また実名・生年月日など本物のアカウント情報が設定され、コミュニティガイドライン等の違反歴がない健全な状態であることが必要です。さらにフォロワー1万人以上、直近30日で動画視聴10万回以上を満たし、1分以上のオリジナル動画(転載・再利用素材は対象外)を投稿していることが求められます。なおビジネス、政治・政府系アカウントは収益化の対象外となっています。
ギフティングやLIVEサブスク
ギフティング(通常動画)は、対象地域在住・18歳以上の個人アカウントで健全運用、開設30日以上かつ直近30日以内に投稿があり、フォロワー1万人以上が目安となります。またLIVEのギフトは18歳以上でLIVE機能が解放されていること(一般にフォロワー1000人~。地域で変動)が条件となります。LIVEサブスクは18歳以上・健全が前提で、1万人+直近30日10万再生またはLIVE要件充足が基準とされる場合があり、運用上は直近28日で30分以上の配信が求められる例もあります。TikTokのこれらの収益化の最新条件はアプリ内「収益化」で常に最新版を確認する必要があります。
広告・EC・ブランド連携の条件
広告・EC・ブランド連携の主な条件は次の通りです。まず広告収益分配TikTok Pulseは、18歳以上・ガイドライン順守・直近30日で5投稿に加え、フォロワー10万人以上が目安になります。次にCreator Marketplace/TikTok One(案件連携)は、18歳以上、直近28〜30日で3投稿・10万いいねが活動要件とフォロワー1万人以上(地域で変動)が基準として案内されています。そしてTikTok Shop(EC/アフィリエイト)は18歳以上で、商品リンク解放のフォロワー閾値が地域により0〜1,000人と異なるため、申請前にSeller/Creator向け公式ページで最新条件を確認してください。
いくら稼げる?
TikTokは公式の固定単価を非公開にしています。Creator Rewardsは動画ごと・時期ごとにRPMが変動します。参考として、Business Insiderは旧Fundに比べCreativity/Rewardsは高水準の事例(ある月に5桁ドル受取り)を紹介しています。一方でPulse(広告分配)はRPMが高く見えても対象ビューが少ないため実入りは限定的という声もあります。TikTokで収益化を最大化するには長尺・オリジナルの継続投稿が収益化の基本になります。
Series(有料動画販売)とPulse(広告分配)
また先述の収益化の方法の他にTikTokには収益を伸ばす方法が存在します。TikTokではSeriesとPulseと呼ばれるものであり、Seriesは30秒〜20分の動画を最大80本まで有料束売りできる機能です。1万人以上のフォロワーが目安ですが、外部で販売実績があれば1万人未満でも申請余地があります。またPulseはトップ4%のコンテンツ周辺に出る広告の収益分配のことを指します。こちらは10万フォロワー以上など厳しめの基準で、分配対象ビューが限定される点には注意する必要があります。
収益化までのフロー
TikTokでの収益化までのフローはまず年齢・対象地域・個人アカウントなどの基本条件を整え、違反のない健全状態を維持します。つぎに1分以上のオリジナル動画を連載化し、直近30日での投稿数・10万再生・1万フォロワーを目標に指標を育て、整い次第アプリの Creator Rewardsから申請をしましょう。並行してVideo Gifts、LIVE Giftsを有効化し、LIVE解放後は定期配信で実績づくりを継続的に行います。最終的には条件を満たした段階でSeries(有料動画)、Pulse(広告分配)、OneおよびMarketplace(案件)も順次申請し、複線化と入金設定まで仕上げます。
投稿初期で行うこと
収益化を目指す上では初めに土台を整えます。対象地域・年齢・個人アカウント・ガイドライン順守を確認し、プロフィール(誰が何を発信するか)とリンクを最適化しましょう。次に1分以上の連載企画を3本設計し、導入10秒のフック・固定CTA・撮影や字幕テンプレを決めます。週3本で4週の投稿計画を作成。著作権NGや転載を避け、音源はアプリ内中心、ハッシュタグは3〜5に絞って投稿することが収益化へのカギです。また並行して「収益化」欄で条件の進捗を毎週レビューして常に確認をしましょう。
短尺動画でも稼げるか?
TikTokといえば短尺動画が多く、投稿しやすく人気ですが、こちらの動画スタイルでも収益化は可能です。ただしCreator Rewardsは1分以上が対象です。そのため短尺はVideo Gifts(目安:フォロワー1万~)、LIVEへ誘導してギフト/サブスク(LIVE解放後)、TikTok Shop/案件で収益化することが求められます。拡散しやすい短尺で頻度・完走率を稼ぎ、プロフィール導線+固定CTAで1分超の長尺や有料Series・外部ECに送客する設計が現実的です。
まとめ
動画投稿による収益化はクリエイター全体の憧れです。現在ではYouTubeに加えてTikTokなどの選択肢もあり、自身の動画スタイルに合わせてサービスを使い分けることが重要です。特に短尺動画が得意な場合にはTikTokは最適解であり、オリジナル動画の継続的な投稿をすることで、稼ぐことが可能になります。収益化までのフローにはクリアしなければならないハードルはありますが、達成すれば大きな収益を見込むことが出来ます。最初の投稿は視聴数が伸びないことが多いですが、諦めずに頑張ることがハードルを越える上で必要になります。