テレワークの普及や働き方改革の影響により、正社員として勤めながら別の仕事で収入を得ている人が増えてきました。近年では、パソコン一つでできる副業が多く、空いた時間や本業が終わってから働けることなどが影響しています。
しかし、「本業で税金を払っているからバレないだろう」「少額だから大丈夫だろう」と副業を確定申告していない人が多いのが事実です。そこで、副業に確定申告は必要なのか、申告を怠るとどうなるのか調査していきましょう。
副業の確定申告は必要?
国税庁が調査したところによると、令和3年事務年度に調査した約60万件の中から31万件以上の確定申告漏れが指摘されています。では、すべての副業で確定申告が必要なのでしょうか?
所得が年間20万円以上は必要
正社員以外で、所得金額が年間20万円を超えた場合には確定申告が必要です。アルバイトや個人で何かしらのサービスを提供して収入を得たり、商品を販売して発生した所得に課せられます。しかし、確定申告は収入ではなく、必要経費を差し引いた所得金額で計算します。
また、一時所得としてオンラインカジノで得た収入も確定申告が必要な場合があるので注意です。
所得が年間20万円以下は不要
本業以外の所得金額が総額で年間20万円以下であれば、確定申告が不要になります。しかし、20万円以下は所得税に限られており、住民税は所得金額に関係なく確定申告をしなければなりません。
確定申告しないとどうなる?
確定申告が必要な条件を満たしているにもかかわらず確定申告を怠った場合、3つのペナルティが課せられます。本来払うべきであった金額よりもさらに多くの金額を払わなければいけなくなるんです。
延滞税
延滞税は、納付が定められた期限に支払えなかった際に課税される附帯税です。納付期限の翌日から2ヶ月までが7.3%、それ以降は14.6%で、遅れれば遅れるほど税額は増えていきます。
無申告加算税
確定申告は「毎年2月16日から3月15日の間に税務署へ申告する」と決められています。しかし、期限までに申告しなかった場合、無申告加算税という追徴課税が課されてしまうんです。納付税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分は20%乗じた金額を支払うことになります。
重加算税
重加算税は、意図的に実際の納税額よりも少ない額を申告したり、隠蔽、仮装、脱税した事実が見つかったなど、最も悪質だと判断された場合に課せられるペナルティです。
無申告加算税と延滞税に加えて課され、35%〜40%の税率が上乗せされ支払わなくてはいけません。さらに、懲役刑や罰金刑が科される場合があるため必ず確定申告が必要です。
副業で確定申告しない人が多い理由
どうして副業している人は確定申告しないのでしょうか?そこで、主な理由を紹介します。
本業の会社にバレたくない
確定申告をしない多くの理由は、「本業の会社へバレたくない」というのが一つです。というのも、所得が増えると住民税額が高くなり、代わりに住民税を納付している会社にバレてしまう可能性があります。副業を禁止している会社なら尚更ですね。しかし、バレる不安をできる限り小さくする対策があるようです。
確定申告の知識がない
本業の会社で源泉徴収を行ってくれているため、税金に関する知識が乏しかったり、そもそも確定申告の知識がない人が多くいるんです。また、申告が必要な金額を知らず、「少額なら問題ない」と申告漏れが発生してしまいます。
給料明細・領収書がない
副業の中には、給料明細がなくその都度現金で受け取っていることも多くあります。また、経費の証拠となる領収書の保管を忘れていたりすると収入から経費を差し引くことができなくなるんです。こういった確定申告に必要な重要な書類がなく、副業で確定申告してない人が多い原因になっています。
まとめ
本業以外で収入を得た場合、原則として確定申告が必要です。申請作業が煩わしいと感じるかもしれませんが、申告を怠ってしまうとペナルティや最悪、刑事罰の対象となる可能性もあります。確定申告は法律で定められた義務であるため、避けることはできません。長く安定して副業を続けるためにも、確定申告を必ず行いましょう。申告が難しい人は専門家に相談するとペナルティなど課せられる心配はないでしょう。