最近、気になる物価上昇や所得が増えない状況に不安を感じているのではないでしょうか。
特に同年代の人たちの貯金がどうなっているのか、平均の金額が気になりますね。
また、金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると単身世帯が保有する金融資産額は平均で871万円、中央値は100万円という状況でした。
そこで今回は、年代別の貯金 平均額や中央値、また平均と中央値の差が大きくなる理由について、今から準備できることを考えてみたいと思います。
近年増加傾向の独身世帯
5年おきの国勢調査において、調査年ごとに150万世帯から200万世帯前後のペースで独身世帯が増加しています。2040年頃には独身世帯の割合が4割程度までいくと言われています。
増加の理由としては、平均寿命の増加により夫婦どちらかの死別によるもの、晩婚化、非婚化も大きな要因となっています。また、子ども世帯との同居率の低下や離婚率の増加も要因のひとつにあげられます。
男女ともに結婚に縛られない生き方の選択ができる時代になったと言えるかもしれません。
それは、誰かに頼らない老後生活を意味するものでもあります。
独身世帯の貯金額・平均値と中央値
独身世帯の貯金額の平均が871万円、中央値が100万円という調査結果がでています。
年代別の貯金を確認してみましょう。
年代・貯金の平均・中央値の順番で記載します。
- 20代…179万円・20万円
- 30代…606万円・56万円
- 40代…818万円・92万円
- 50代…1,067万円・130万円
- 60代…1,867万円・460万円
平均と中央値のへだたりが大きいことがわかります。平均、中央値どちらを参考にすれば良いのか確認しましょう。
平均と中央値
平均とは
平均とはデータの合計をデータの個数で割って得られる値。
平均に極端な数値があれば値が変化してしまいます。
たとえば、「1、2、3」の平均は2ですが、「1、4、97」の場合、34となり偏りが生じます。
中央値とは
中央値とはデータの大きさの順に並べ替えたとき、ちょうど順番が真ん中になる値です。
極端に大きい数字や小さい数字があったとしても値に偏りが生じない。
全ての数字の関係性が反映されているとは言えないのです。
たとえば、「1、2、3」小さい順に並べると、2が中央値になります。「1、4、97」の中央値は4ですが、数値の関係性が十分に反映されない値になってしまいます。
平均と中央値の使い分け
平均と中央値が同じような値になっているときは平均を優先すると良いようです。
極端に大きな数値や小さい数値があった場合、平均と中央値は大きくズレます。その場合は中央値をつかったほうが実数に近いので、中央値を使うと良いと思います。
独身世帯の悩み
平均と中央値の使い分けによると、独身世帯の貯金が低いことがわかります。
老後生活について、54.2%の人が不安と答えています。
理由として、十分な金融資産がないから・72.5%、年金や保険が十分でないから・52.8
%、生活が困窮するほどの物価上昇があり得るから・31.2%。
年金に対して感じていることは、日常生活費をまかなうのが難しい・50.2%、ゆとりはないが生活費をまかなえる、不自由なく暮らせる・49.8%の結果がでています。
およそ半数の人が将来に不安をかかえていることがわかりました。
では、いまから準備できることはあるのでしょうか。
いまから準備できること
「家計の金融行動に関する世論調査」によると、独身者世帯の金融資産の目標は、平均2,496万円です。注目すべきは金融資産ゼロの世帯は4.9%あるということです。
独身世帯の場合、自分自身で老後の生活費をまかなう必要があります。受給される年金にも限度があり半数の人が不安を感じていることがわかりました。
まず、何から手をつけたら良いのか悩ましいところです。
誰にでもできることは、生活費の見なおしをすること、無駄をなくすことではないでしょうか。固定費の見なおしをするだけで、効果は誰にでも実感できると思います。
その後に、将来に向けてどのように貯金を増やす方法があるか、考えてみると良いと思います。
最後に
年々増えている独身世帯、老後生活費への不安は半数以上の人が感じています。年代別の独身世帯の貯金額の平均・中央値から、貯金額が見えてきました。安心して老後を暮らせる金額には程遠いことがわかりました。
自分らしく楽しく生活するために貯金の平均を参考に、中央値を確認しながらいまから準備することができそうですね。
7割強の人が十分な金融資産が必要だと思っています。ごく普通の会社員でも出来ることは、生活費をみなおして、無駄をなくすこと。固定費をみなおすこと。その上で、将来に向けて貯金を増やすために出来ることはなにか、考えて行動できれば明るい将来がみえてきそうです。