なぜ今メタバースが注目されているのでしょうか?その理由は主に2つ存在します。それぞれ詳しく見ていきましょう。
VR技術の進展
第一に、VR技術が進歩したことで普及が進んだことが要因と言えるでしょう。VRとは、Virtual Realityの頭文字を取った用語で、仮想現実を意味します。UnityやBlenderといった開発者ツールの整備によりVRコンテンツの供給が増加したことやVRデバイスの軽量化が進んだことで、一般の方にもVR技術が普及しています。特にVRデバイスの軽量化に関しては、インパクトが大きかったと考えられます。従来のVRデバイスは高価で複雑、かつテクノロジーに対して強い関心のある人しか扱えないようなイメージがあったためです。しかし最近では、Oculus Quest 2に代表されるような完全ワイヤレスのVRデバイスが登場してきており、一般の方でもVR技術を楽しむための土壌が整ってきていて、今後もさらなるVR技術の発展によって、エンターテインメント分野はもちろん、医療や学術研究など様々なジャンルへの普及が予想されます。
メタバースビジネスの可能性が広がっていること
メタバースが注目される第二の理由として、メタバースビジネスの可能性が広がっていることが要因として挙げられます。その証拠として、大手の企業が続々とメタバースの実現に向けて動きを見せています。
海外でメタバースへの動きが盛んなのはFacebookです。2021年8月19日にFacebookからリリースされた「Horizon Workrooms(ホライゾン・ワークルームズ)」は、CGで作成された仮想空間上で会議やセミナーを開くことができるサービスで、同社はこのサービスを通してエンターテインメント以外の分野におけるVRの用途を示しました。
上記で取り上げた企業の他にも、多くの企業でメタバースへの実験的な取り組みが行われています。テクノロジーが進んだ先に、多くの人々がバーチャル空間でコミュニケーションをとり、仕事を進め、コンテンツを楽しむ未来が実現するのかもしれません。
メタバースのメリット
ここではメタバースのメリットについて、ユーザーと企業の2つの目線から解説していきます。
ユーザー側のメリット
ユーザー側のメリットとしては、主に以下の4つが挙げられます。
- 仮想空間の中で新たなエンターテインメント体験ができる
- 接触しないコミュニケーションを取れる
- 画面越しのユーザー体験と比べると臨場感があり、本当にその場にいるような感覚になれる
- ユーザーが自らクリエイターとなり、自分の作品を公表、配信することで収益を獲得できるようなシステムが構築されていく
企業側のメリット
企業側のメリットとしては、以下の3点が挙げられます。
- バーチャル化によるコストカットを実現できる(現実のオフィスをVRオフィスへ移転する、など)
- ビジネスチャンスが広がる
- メタバース経済圏の広がりによって、ビジネスチャンスや収益源を得ることができる
The Sandbox(サンドボックス)
「The Sandbox(サンドボックス)」はボクセルで表現されたメタバースを構築するプロジェクトです。ユーザーがメタバース上に制作されたゲームで遊んだり、ユーザー同士でコミュニケーションを取ったりすることができるゲームとなっています。
The Sandboxでは、メタバース上で利用できるアイテム、アバター、ゲーム制作に必要な素材、そして「LAND」と呼ばれる土地を、「ETH」や「SAND」というトークンを用いてNFTマーケットプレイス上で売買出来ます。コインチェックでは、NFTマーケットプレイス「Coincheck NFT(β版)」を提供しており、LANDの購入が可能です!他のNFTマーケットプレイスと違い、「ETH」や「SAND」のみの決済方法ではなく、Coincheckで取り扱っている14種類の暗号資産で決済が可能です。
LANDとは?
LANDは、The Sandbox(サンドボックス)で構築されるメタバース上の土地であり、LAND自体も小さなメタバースとなっています。The Sandboxのメタバースは、1つの大きなメタバースであるメタバースマップの中に、LANDやESTATEのような小さなメタバースが集まって構築されているのです。
LANDの供給量は決まっており、最終的には166,464のLANDがユーザーにいきわたる予定となっています。ユーザーはLANDを所有することで、LAND上にゲームやジオラマを制作し、制作したものを公開することができます。The Sandboxが無料で配布している「Game Maker」というソフトウェアを用いることでゲームの制作が可能です。
ゲームの公開に際しては、ゲーム制作者によって無料で公開するか有料で公開するかを選択することができます。有料で公開した場合にはプレイヤーからゲーム制作者に対してSANDの支払があるので、ゲーム制作者の収益化に繋がります。その他にも、LANDを所有することによってSANDをステーキングする際の利率が上昇数する自らのLAND上でイベントを開催して集客するゲーム制作者にLANDをレンタルすることでレンタル料を得るメタバース上の政治に参加できるなどのメリットが受けられます。
まとめ
SNSやMMO RPGなど、一見すでに普及しつつある技術に見えるメタバースですが、実はビジネスにおいても大いなる可能性を秘めています。新型コロナにより非対面でのコミュニケーション機会が飛躍的に増加したことで、メタバースを活用しようとする企業が一気に増えてきているといえるもしょう。
技術の進歩と、応用方法の模索を多くの企業が行うことで、今後メタバースは急速に普及、発展すると見込まれています。これから就職や起業でキャリア形成を進める人にとって、メタバースは要注目の分野です。