【株式】制度改正したiDeCo(イデコ)新規加入者数は増えた?

【株式】制度改正したiDeCo(イデコ)新規加入者数は増えた?

今年も師走の時期に差し掛かり、勤め先の会社では「年末調整」というワードが聞こえ始める頃かもしれません。中には、税制メリットのあるiDeCo 年末調整や確定申告の準備をしている人もいるのではないでしょうか。

今回は、今年大きく制度改正を行って話題となったiDeCo(イデコ)についてと、制度改正後の新規加入者の推移について解説していきたいと思います。

そもそもiDeCo(イデコ)とは?

iDeCoとは、「個人型確定拠出年金」のことで、公的年金だけでは不足するであろう老後の資金を個人で備えるための私的年金制度です。

日本の年金制度は、全員が加入対象となっている1階部分の「国民年金」に加え、会社員はそれにプラスして2階部分の「厚生年金」を支払っていますよね。この2階部分までが公的年金に当たります。

3階部分以降は、企業に勤めている人の中には会社の制度として「企業年金」に加入できる場合があったり、フリーランスなどの個人事業主向けには、2階部分も兼ねるようなかたちで加入できる「国民年金基金」などがあります。

iDeCoはこの3階部分の年金に当たり、自分で準備する私的年金に分類されます。

iDeCoは老後の資金を蓄えるための運用資産

毎月掛け金を払うという点では他の年金制度とも一見変わらないように思えますが、iDeCoは投資をして資産を増やすという特徴があります。「投資」と聞くと一見ハードルが高いように感じるかもしれませんが、そのハードルを下げ誰でも投資に取り組みやすいように、国が税制優遇を行っている点が特徴です。

iDeCoに加入して投資を行う上でのメリットは次の通りです。

  1. 掛け金が全額所得控除になる(所得に対して課される税金を減らすことができます)。
  2. 投資の運用で得た利益は非課税(通常は315%の税金が課されます)。
  3. 受け取る時も控除が受けられる。

なお、iDeCoは年金として設定されているため、60歳までは資金を引き出すことができないというデメリットもありますので、その点も頭に入れておきましょう。

2022年に行われたiDeCoの制度改正とは?

2022年には段階的にiDeCoの法制度が改正されました!今までの制度を踏まえながら、変更した点を変更した月ごとにまとめて解説していきます。

<2022年4月1日から>iDeCo受給開始時期の選択肢が拡大

以前までは受給開始時期の上限が70歳までだったのが、75歳までに延長されました。

これにより、iDeCoの受給開始時期を60歳〜75歳までの間で選択できるようになりました。

もっと長い期間運用を続けたいという人には嬉しい法改正と言えるでしょう。

<2022年5月1日から>iDeCoに加入できる年齢や条件などが拡大

以前までは60歳〜65歳未満の方や、海外在住の方はiDeCoへの加入が出来ませんでしたが、以下のように加入対象者が変更になりました。

  • 60歳〜65歳未満の会社員・公務員の方
  • 60歳〜65歳未満の国民年金に任意加入している方
  • 国民年金に任意加入している海外在住の方

その他にも、iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直しや、確定給付企業年金(DB)からiDeCoへの年金資産の移換ができるようになるポータビリティの改善なども行われました。

<2022年10月1日から>企業型確定拠出年金(企業DC)加入者のiDeCo加入要件の緩和

以前まで企業型年金の規約のため、iDeCoに加入出来なかった企業型DC加入者もiDeCoに加入できるようになりました。毎月の掛け金額は、企業型DCの掛け金と合算して5.5万円までという規定があります。また、各月拠出であること、企業型DCのマッチング拠出を利用していないことという条件もあります。

今後の制度改正はある?

iDeCoの制度改正は既に以下のように変更することが決まっています。

<2024年1月から>

以前までiDeCoの掛け金額には加入者の条件ごとに限度額がありましたが、その限度額が改定される予定です。また、iDeCoの脱退一時金の受給要件の見直しが再度行われる予定になっています。

iDeCoの加入を検討している人や、既にiDeCoに加入している人は今後の制度改正の詳細情報をしっかりチェックしておきましょう。

iDeCo新規加入者の推移

2022年12月に発表された報告によると、2022年10月時点のiDeCoの総加入者は、269万14人になり、10月の新規加入者は5万1,582人だったとのことです。新規加入者は前年同月比22.8%増となり、6ヶ月連続前年同月比を上回るという結果に。

iDeCoへの加入者が増加していることが分かりますね!

最後に

制度改正も手伝って年々加入者が増え続けているiDeCo。人生100年時代となり老後の資金を自分で準備するのは誰もが必要なことなのかもしれません。老後の資産形成を行う上で税制上のメリットがあるiDeCoは、多くの人にとっての選択肢の一つとなるのではないでしょうか。

そして、税制メリットを受けるために、既に加入している人はiDeCo 年末調整や確定申告をお忘れなく!