Amazonの返品された商品をそのまま放置してしまっていませんか?
手続方法がわからないからと、後回しにしていませんか?
販売不可在庫をそのままにしておくと損失が発生します。
一定期間をすぎると商品の所有権が出品者からAmazonのものになってしまうからです。
売れない在庫保管しても仕方がありません。必ず確認し対応しましょう。
目次
販売不可在庫とは?
まず、Amazonの販売不可在庫について説明します。
販売不可在庫とは、商品の破損により販売できなくなった商品のことです。
Amazon輸出FBAで販売していると、どうしても一定割合で返品は発生してしまいます。
日本Amazonの販売に比べ、海外Amazonでの販売の返品率が高い傾向にあります。
FBA販売されて商品が購入者に返品されると
一旦商品はAmazon倉庫へと戻ります。
このとき、商品が完全な状態であれば再び新品として自動的に再販されます。この場合は出品者として何から手続きは不要です。
しかし、パッケージ破損等により新品で販売できる状態でない場合、販売不可在庫(Unfulfillable)として計上されます。
販売できない在庫をいつまでアマゾンで保管していても全く利益を生まないばかりか保管量も発生します。
倉庫から返送し処理が必要となります。
定期的に確認していきましょう。
販売不可在庫を放っておくと商品の所有権がなくなる!
損失を防ぐため必ず知っておきたいルールがあります。
購入者からの返品などにより販売不可となった在庫は倉庫での保管期間が30日を経過するとAmazon側で商品処分が開始されます。
そうすると、商品の所有権が出品者のものではなくなります。
一定期間を経過するとセラーの商品の所有権がなくなってしまうのは、
常識的に考えてとんでもないルールだと思いますがそれがアマゾン規約です。
Amazonヘルプページ参考リンク
販売不可在庫を自動的に返送/所有権を放棄する(日本)
Remove Inventory Automatically(アメリカ)
ここからは個人的な憶測ですが、
出品者の所有権が無くなった後、アマゾン側で商品をそのまま捨ててはいないでしょう。
おそらくアウトレットで販売している思われます。
Amazonではアウトレットと称して倉庫内破損の商品なども販売しています。
Amazonアウトレット(日本)
AmazonOutlet(アメリカ)
出品者の商品所有権がなくなった後の行方についてテクニカルサポートに問合せたことがあります。
そのとき、「自動破棄が実行され所有権が出品者のものでなくなった商品の行方については答える義務はない」との回答でした。
無料で出品者から商品を集める仕組みを構築しているのでしょう。
あくまでも私的な意見であり憶測であることは付け加えておきます。
自動返送スケジュールを設定
「30日ルールによる所有権の自動放棄」を防ぐには、自動返送のスケジュールを有効に設定しておきましょう。
この設定を行えば、指定した住所にスケジュールにしたがって返送されます。
自動返送スケジュールの設定は以下のメニューから行います。
セラーセントラル>設定>FBAの設定>販売不可在庫の自動返送/所有権の放棄の設定
返送先は各国で指定する
なお、セラーセントラルの画面上で返送国はその販売国のマーケットプレイス以外に設定する機能がありません。
例えば、アメリカのアマゾンで販売する場合は返送先の住所もアメリカを指定する必要があります。
アメリカAmazonの返品在庫を直接日本に返送することはできません。
同様に欧州Amazonの返品在庫を直接日本に送ることもできません。
ただし、EUAmazonの場合は
販売国のマーケットプレイス以外にFBA在庫を返送したいとき、
一括ファイルでアップロードすることできます。
私の場合一部の商品の返品在庫の対応は仕入れ元のメーカーに依頼しています。
例えばドイツのAmazon返品在庫をポーランドの仕入れ元メーカーに送付しています。
メーカー側で商品をチェックした後、再納品します。
返品された在庫は、ユーザー商品によって部品が抜き取られている場合があります。
このような場合に、部品の補充もメーカー側で対応できます。
こうした対応はメーカー側との交渉により、協力体制を構築しています。
販売不可在庫の対応の流れ
販売不可在庫の対応は大まかには以下の流れで行います。
- 購入者が返品。販売不可在庫発生!(出品者はカスタマー対応は不要)
- Amazonに「販売不可在庫」の「返送」を依頼
※単価の低い商品であれば、手間暇を考えこの時点で破棄依頼するのも一つの判断です。 - パートナーor代行会社にて商品受領しコンディション確認
- 破棄or再納品
出品者の処理プロセス
- 販売不可在庫の発生の確認
- Amazonからメール受領
- 定期的な確認
- 返送依頼ファイル作成
- ファイル作成 01_販売不可在庫の返送依頼
- アップロード Upload a Removal File
- 返送進捗管理表に記入
- Amazonから出荷されたか確認 (メール件名 Your FBA removal request is complete)
- メーカー(荷受け先)に返送商品を連絡
- 再納品依頼
- FBA納品プラン、ラベル作成
Amazon輸出 「販売不可在庫」の「返送」の手順
※画面はドイツAmazonです。
他の国のAmazonでも流れは同様です。
Inventory>Manage Inventory > Unfulfillable の個数を選択
返送の種類を選びます。
・For this item ・・・選択商品のみを返送するか
・For all unfulfillable inventory ・・・販売不可の全在庫在庫まとめて返送
フォームに返送先の情報を入力します。
「Continue」をクリックします。
販売不可在庫の受取りは代行業者or海外パートナー
フォームで依頼した住所宛に、1〜2週間ほどで商品が届きます。
販売不可在庫をAmazonから直接日本に送ることはでません。
そのため、事前に現地のパートナーを確保するか代行業者を使います。
代行業者は例えば、アッシュマート が返品受付にも対応しています。
現地で荷受けを行ってくれる、海外のパートナーを見つけるにはアメリカ掲示板 や クラウドワークス から募集します。
配送日数を短縮するためには、パートナー募集の際
自分が利用している主要なFBA倉庫から近い場所に在住であることも
条件にいれるとよいでしょう。
破棄or再納品の方法
Amazon倉庫から商品が返送されたら、商品の状態に応じて、どう処理するか判断します。
・完全な新品の場合 ➔ 新品として再納品
・箱の破損、部品の不足がある場合 ➔ 中古コンディションをとして再納品
最初のうちは、コンディション判断は自分でおこなうため、
パートナーや代行会社から商品の写真を送ってもらうとよいでしょう。
ある程度慣れてくれば、コンディション判断をそのものを委任するのもよいです。
Amazonへの損失補填を依頼
Amazon側では、返品商品の細かなチェックは行いません。
ひどい場合だと商品の中身が抜き取られ、箱だけ返品されるケースすらあります。
そのような場合、Amazonに対して損失補填を依頼します。
損失補填依頼には、配送伝票、返品伝票、商品写真が必要となりますので、保管しておきましょう。
なお、
Amazon側で損失補填の判断はケースバイケースです。
明らかに、買い手の過失と思われる場合であっても、必ずしも補填されるわけではありません。
返品された商品の例
ひとつ、販売不可在庫の実例を紹介します。
アメリカAmazonで販売後、返品された商品の実際の写真です。
カードのセットですが、何枚か抜き取られていました。
化粧箱も破られています。
海外の顧客の傾向として、商品に対する細かいクレームを言ってくることはさほど多くありません。
そのかわり、気に入らなければ即返品という文化です。
さらに、「返品するからには、未開封の新品の状態でなければ」という意識もほとんどありません。
この例では、最終的にほぼ相場どおり(ただし、FBA手数料料相当分は差し引かれる)補填が行わました。
まとめ
・Amazon輸出FBAで販売していると、必ず一定率で返品が発生する。
・販売不可在庫の受取りは代行業者から海外パートナーを使う。
・自動返送のスケジュールを設定する
・販売不可在庫の荷受け対応、再納品対応は可能であれば仕入元に依頼する
・Amazonへの補填依頼で損失カバーできる場合もある
返品在庫は放置しないようにしましょう。
30日ルールにより商品の所有権が出品者からAmazonのものになってしまいます。