具体的な計算例で解説!原価から販売価格を算出する計算方法

原価から販売価格を算出する計算方法を教えて!

目標とする利益率から販売価格を算出する計算方法を説明します。

簡単な算数ですが、勘違いして理解している人もいるので、頭にいれておきましょう。

原価から販売価格を出す計算方法

原価から売価を出す計算方法

原価から売価を出す計算式

仕入れ価格を原価率を割ります。

計算式は以下の2パターンの数式で表すことができます。

販売価格 =原価 ÷ 原価率
販売価格 = 原価÷(1−想定利益率)

原価率の計算式は

原価率=1−想定利益率

なので、いずれも式も同じです。

計算の例

例えば「仕入れ原価1000円の商品を30%の利益率となる販売価格設定」をしたいとします。

販売価格計算

販売価格=原価÷(1−想定利益率)
販売価格1429円=原価1000円 ÷ ( 1 – 0.3)

利益率が30%になるか、この販売価格を元に検証してみましょう。

利益の計算

利益 = 販売価格 – 原価
利益429円 = 販売価格1429円 – 売価1,000円



利益率の計算

利益率 = 利益 ÷ 販売価格
利益率30% = 利益429円 ÷ 販売価格1,429円



販売手数料を含めて原価から販売価格を出す計算方法

プラットフォームの販売には、販売手数料がかかります。
販売手数料も加味した上で、想定利益率を元に販売価格を決定するにはどう計算すればよいでしょうか?

販売手数料を含めて原価から販売価格を出す計算方法

以下の計算式で求めることができます。

販売価格 = 原価÷(原価率 – 販売手数料率)
販売価格 = 原価÷(1− 想定利益率 – 販売手数料率)

例)Amazon手数料15%
※実際の、手数料計算はもっと細かいのですが、ここでは販売価格✕15%が販売手数料として計算します。

「Amazonで販売するときに原価1000円の商品を30%利益率の確保した価格設定」を行いたいとします。

販売価格1,818円 = 原価1,000円÷(1 – 想定利益率30% -販売手数料率15%)




利益率が30%になるか、この販売価格を元に検証してみましょう。

利益の計算

利益=販売価格 – 原価 – (販売価格 ✕ 販売手数料率)
利益545円 = 販売価格1,818円 – 原価1,000円 – (販売価格1,818円 ✕ 販売手数料率15%)

利益率の計算

利益率 = 利益 ÷ 販売価格
利益率30% = 利益545円 ÷ 販売価格1,818円



一括出品でExcelに書式設定する

計算式を理解しておけば、仕入れ原価を元に一括出品するとき、想定利益率を元に販売価格の一括設定が可能です。

書式を応用すれば、Amazon「販売価格の下限設定」を一括で行うことも可能です。
例えば、『「販売価格の下限設定」を利益率に10%にしておく』という設定が可能です。




ROUND関数で四捨五入する

1の位桁単位
そのまま素直に計算すると、「1,818円」1桁単位までの細かい数字になってしまいます。
もう少し実用性のある価格設定にしたい場合、「1,818円」➔「1,820円」としたい場合もあるでしょう。

このような場合、「ROUND関数」を使います。

ROUND関数の例



 

ROUND 関数 – Office サポート
書式: ROUND(数値, 桁数)

support.office.com



販売価格算出のよくある勘違い

よくある勘違いは例えば「利益率を30%とする価格設定」をしたいとき、
単純に原価✕1.3で計算することです。
一見、正しそうに見えるのですが、計算してみればわかります。

販売価格 = 仕入れ原価 ✕  1.3
販売価格1300円 = 原価1000円 ✕ 1.3

この数字を元に利益を計算します。

利益計算
利益300円 = 販売価格1300円 – 原価1000円

利益率計算
利益率23% = 利益300円 ÷ 1300円




利益率は23%になりました。
よって、原価✕1.3では算出できないことがわかります。

有料でサービス提供されているAmazon価格改定ツールの中にも
「勘違いの計算式」をベースとして販売価格を設定するタイプもあるので注意してください。

最後に

目標とする利益率から販売価格を算出する計算方法を説明しました。