消費者が商品を知ってから、購入にいたるまでの過程を說明した概念「購買行動モデル」。
テレビ・新聞・ラジオ・雑誌・看板・インターネット・SNSなど、テクノロジーの変化によって消費者の購買行動は変化してきました。
今回は、代表的な「購買行動モデル」を說明します。
購買行動モデル
- AIDA(アイダ):購買行動の基本概念
- AIDMA(アイドマ):AIDAの発展形
- AIDCAS(アイドカス):AIDAの発展形
- AISAS(アイサス):インターネット時代の購買行動モデル
- AISCEAS(アイシーズ):
- VISAS(ヴィサス):ソーシャルメディア時代の消費行動モデル
- SIPS(シップス):ソーシャルメディア時代の消費行動モデル
- DECAX(デキャックス):コンテンツマーケティング時代の消費行動モデル ※重要
- Dual AISAS(デュアル・アイサス):AISASの発展型 ※重要
特におさえておきたいのは、「Dual AISAS(デュアル・アイサス)」「DECAX」の2つ。それ以前に提唱された購買行動モデルを踏襲し発展した概念です。
目次
AIDA(アイダ)
発表 | 1925年 |
提唱者 | E・K・ストロング |
購買決定プロセス | マスメディア広告型 |
マスメディア時代の購買行動の基本概念
AIDA(アイダ)
- Attention(認知・注意):消費者広告をみて商品を知る
- Interest(興味・関心):消費者が商品に興味を持つ
- Desire(欲求):消費者が商品をほしくなる
- Action(行動):消費者が商品を購入する
AIDAの法則は、1925年に米国のE・K・ストロング氏が『Theories of Selling』という論文の中で発表した概念。
AIDMA(アイドマ)
発表 | 1920年 |
提唱者 | マスメディア広告型 |
AIDAの概念に「Memory(記憶)」追加
AIDMA(アイドマ)
- Attention(注意):消費者が広告をみて商品/サービスを知る
- Interest(関心):消費者商品に興味を持つ
- Desire(欲求):消費者が商品をほしくなる
- Memory(記憶)
- Action(行動):消費者が商品を購入する
消費行動の基本概念「AIDA」に「Memory(記憶)」が加わったのが、「AIDMA(アイドマ)」。
1920年代に米国のサミュエル・ローランド・ホールが『Retail Advertising and Selling』(小売りにおける宣伝と販売)という本で発表しました。
AIDCA(アイドカ)
発表 | |
提唱者 | |
購買決定プロセス | マスメディア広告型 |
AIDAの概念に「Conviction(確信)」追加
AIDCA(アイドカ)
- Attention(注意):消費者が広告をみて商品/サービスを知る
- Interest(関心):消費者が商品/サービスに興味を持つ
- Desire(欲求);消費者が商品/サービスをほしくなる
- Conviction(確信)
- Action(行動):消費者が商品を購入する
消費行動の基本概念「AIDA(アイダ)」に「Conviction(確信)」に加わったのが「AIDCA(アイドカ)」。
AIDCAS(アイドカス)
発表 | |
提唱者 | |
購買決定プロセス | マスメディア広告型 |
AIDCASの法則とは、消費者の購買行動プロセスを説明する概念。
AIDCAS(アイドカス)
- Attention(注意喚起)
- Interest(興味):
- Desire(欲求);消費者が商品/サービスをほしくなる
- Conviction(確信):
- Action(行動):消費者が商品を購入する
- Satisfaction(満足):
AISAS(アイサス)
発表 | 2004年 |
提唱者 | 電通 |
購買決定プロセス | インターネット検索型 |
インターネット時代の購買行動モデル
AISAS(アイサス)
- Attention(注意):消費者が広告をみて商品/サービスを知る
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Action(行動、購入)
- Share(商品評価をネット上で共有)
AISAS(アイサス)とは、消費者がインターネットを活用し商品を知ってから購買に至るまでのプロセスを表した概念。
2004年に国内最大手の広告代理店「電通」が提唱しました。
商品やサービスを購入する前にスマホやパソコンで調べるのが当たり前になっています。これが、「Search(検索)」。
買った商品を「Facebook」「Instagram」「Twitter」などSNSへ投稿されるようになりました。これが、「Share(商品評価をネット上で共有)」です。
AISCEAS(アイシーズ)
発表 | 2005年 |
提唱者 | 望野和美氏 |
購買決定プロセス | インターネット検索型 |
AISASに「Comparison(比較)」「Examination(検討)」追加
AISCEAS(アイシーズ)
- Attention(注意):消費者が広告をみて商品・サービスを知る
- Interest(関心)
- Search(検索)
- Comparison(比較)
- Examination(検討)
- Action(行動)
- Share(情報共有)
AISCEASの法則とは、AISASに「Comparison(比較)」と「Examination(検討)」を追加した購買行動の概念。
有限会社アンヴィコミュニケーションズ代表取締役の望野和美氏が『宣伝会議(月刊誌)2005年5月1日号』の中で、発表しました。
商品やサービスを購入する前に、メーカーの公式サイト・レビューブログ・比較サイト・口コミ情報を「Comparison(比較))」調べてから、購入する「Action(行動)」をとること説明しています。
VISAS(ヴィサス)
発表 | |
提唱者 | |
購買決定プロセス | ソーシャルメディア共有型 |
ソーシャルメディア時代の消費行動モデル
VISAS(ヴィサス)
- Viral(共感)
- Influence(確認)
- Sympaty(共感)
- Action(行動)
- Share共有(Share)
SIPS(シップス)
発表 | |
提唱者 | |
購買決定プロセス | ソーシャルメディア共有型 |
ソーシャルメディア時代の消費行動モデル
SIPS(シップス)
- Sympathize(共感)
- Identify(確認)
- Participate(参加)
- Share&Spread(共有と拡散)
DECAX(デキャックス)
発表 | 2015年 |
提唱者 | 電通 |
購買決定プロセス | コンテンツ発見型 |
コンテンツマーケティング時代の購買行動モデル
DECAX(デキャックス)
- Discovery(発見):消費者が有益なコンテンツを発見
- Engage(関係):消費者がコンテンツの発信元と関係を深める
- Check(確認):消費者が発信元の商品を確認
- Action(購買):消費者が商品を購入する
- eXperience(体験と共有):消費者が商品を体験して情報共有する
2005年に電通デジタル・ホールディングスの内藤敦之氏が提唱しました。
Dual AISAS(デュアル・アイサス)
発表 | 2015年 |
提唱者 | 電通 |
購買決定プロセス | コンテンツ発見型 |
AISAS(アイサス)の進化系
AISAS(アイサス)をさらに発展させたのが「Dual AISAS(デュアル・アイサス)」。
買うことが目的の「AISAS」と、広めることを目的とした「AISAS」から成り立ちます。
買うことが目的のAISAS
- Attention(注意):消費者が広告をみて商品・サービスを知る
- Interest(関心):消費者が興味・関心を持つ
- Search(検索):消費者が商品を調べる
- Action(行動、購入):消費者が商品を買う/サービス利用
- Share(共有):消費者が商品の評価を情報共有する
広めることが目的のAISAS
- Activate(起動):商品・サービスに興味をもつ
- Interest(興味):商品・サービスに参加の意識をもつ
- Share(共有):ブランド情報に共感し、Webで共有
- Accept(受容):第三者が受け取る。
- Spread(拡散):第三者が拡散
2015年に、デジタルマーケティング支援企業の「アタラ合同会社」が、電通プロモーション・デザイン局の協力のもと開発し提唱した概念です。