中国のAmazonでも出品、輸出販売ができることはご存知でしょうか?
「中国Amazonでも出品できるという話はきいたことある。でも、ルールや手続き方法がよくわからない。」というセラーさんも、多いと思います。
まだ、日本にでは中国Amazonの情報自体が少ないですね。
先月、Amazon主催のAmazon中国「輸出」セミナーに参加してきました。
中国Amazonの出品には、他国のAmazonとは大きく異なる点がいくつかあります。
内容をシェアしますので、ぜひ参考にしてください。
中国Amazonとは?
グローバル企業であるAmazonは世界各国で展開しており、その進出先には中国も含まています。
現状、日本人セラーの多くは、Amazonでの販売といえばアメリカや日本を販路としていることでしょう。
販売に慣れた方だとカナダ、欧州にも手を伸ばしているセラーいるかもしれません。
試しにどの国のAmazonでも構わないので、トップページを開き、ページ下部に移動してみてください。
次にプルダウンメニューをクリックすると国が開きます。
国を選択してください。(この例では中国を選択しています。)
中国のAmazonに遷移します。
中国Amazonで売れている日本の商品の例
セミナー内では中国Amazonで売れている日本の商品の紹介がいくつかありした。
例えば、次のようなものです。
中国Amazonページ内の海外製品の特集ページ
中国Amazonページの中には海外製品の特集ページが設けれています。
日本、アメリカ、イギリスなど、中国以外のブランドの商品が販売されています。
上記で紹介した以外にもどんな商品が売れているのか、ぜひあなた自信の目でチェックしてみてください。
中国Amazon出品の条件
中国Amazonに出品するためには、次の3つの条件を満たさなければなりません。
招待制
中国Amazonに出品するためには、Amazonから招待される必要があります。
特別な条件なしに誰でも出品アカウント作成ができる日本、アメリカ、欧州とは異なっています。
自分から能動的に申し込むことはできません。
そのため、実績を日本やアメリカのAmazonで販売実績を積み重ね、声がかかるのを待たなければなりません。
とはいえ、「招待がないから出品できない。どうしようもない」と簡単にあきらめて待つのはもったいないと思います。
どうしても出品したいという希望があれば、自らAmazonに働きかける姿勢をみせてもよいのではないでしょうか。
Amazonの基本姿勢としては、中国で販売するセラーをもっと増やしたいと考えているようです。
アピールして働きかけてみましょう。
日本国内における法人格
中国Amazonで出品するためには、日本国内の法人格が必要です。
出品アカウント作成の申し込みには、登記簿の提出が必要となります。
そのため、現時点で個人では出品資格を満たすことができません。
本物が証明できる書類
商品が本物であることを証明できる書類の提出が必要となります。
中国市場では国柄上、非常に多くのコピー品や、偽物が蔓延しています。
Amazonとしてはユーザーの信頼を損なうことがないよう、なんとしても偽物を排除したいと考えています。
そのため、確実な正規品を提供できる出品者であるか精査しています。
したがって、自身がメーカー(オリジナル商品を開発含む)であるか、一次問屋など、メーカーに近い立場であることが必要です。
そうでなければ「本物が証明できる書類」提出は難しいでしょう。
必然的に「小売」仕入れ、中国Amazonで出品という流れは困難です。
中国Amazonの手数料体系
次に、中国Amazonの手数料体系について説明します。
月額登録料:無料
販売手数料:8〜15%
アメリカでも日本でも大口出品では、月額登録料がかかりますが、中国の場合はこれが不要です。
販売手数料はカテゴリによって異なり、8〜15%です。
中国Amazonでは出品するカテゴリーごとに「供託金」を支払わなければなりません。
供託金の金額はカテゴリーによって異なり0元〜5万円元です。
例えば、家電・カメラカテゴリの供託金は「50,000元」です。
日本円で約80万円!です。(1元=16円で計算)
※ただし、今回のセミナー参加者の特典として供託金は無料とのこと。
中国Amazonのカテゴリ別の手数料、供託金
中国Amazonの言語対応は中国語
中国Amazon言語は基本的に全て中国語です。
中国で対応する必要があります。
- アカウント登録は中国語
- セラーセントラルは中国語
- テクニカルサポートは中国語
- カスタマーサポートは中国語の言語対応が必要
アカウントの登録方法については、Amazonのグローバルセリングチームが用意している日本語のマニュアルがあるとのことです。
現時点では中国語のみです。
今後は、米Amazonや欧州Amazonと同様にセラーセントルやテクニカルサポートは日本語対応していく可能性があります。
もし今後そうなった場合でも、カスタマー対応ときに中国語対応は引き続き必要です。
中国語と聞くと、心理的な障壁を感じてしまい、どうしても踏みとどまってしまう方もいるかもしれません。
しかし、輸出入物販の経験がある方ならもうおかりでしょう。
物販において、言語の壁はさほど大きな問題ではありません。
必ずしも「自分」で中国語を習得しなくても言語対応できる方法はあります。
自分の力ですぐに解決できないことは、対価を支払うことで人の手をかりましょう。
クラウドワークス、ランサーズ、ALA!中国掲示板等で、中国語を扱える人員を確保すれば、言語対応は問題ありません。
このとき、確保したいパートーナーの人物像としては、「中国語のできる日本人」よりも「日本語のできる中国現地在住の中国人」です。
「中国語のできる日本人」にお願いした場合、「不自然な中国語の商品ページ」になってしまう可能性があります。
日本のAmazonの販売ページをみたとき、
「海外セラーが不自然な日本語の商品ページ」を作成しているのを目にすることがあると思います。
それを自分が海外で再現することにないようにしましょう。
商品ページ作りでは、キーワード選定も重要となるため、
ネイティブで現地の言葉をしっかり理解している方が望ましいのです。
また、中国現地在住の方にお願いした方がいいのは
中国の人件費は日本の約1/4ですので、人件費を割安にできるためです。
中国Amazon商品登録方法は?
「相乗り出品」禁止
「相乗り出品」とはすでに存在する商品カタログに対して、かぶせて出品することです。
通常、Amazonでは「同一の商品であれば同一カタログ」が基本ルールです。
この点は中国Amazonは異なります。
中国Amazonでは「相乗り出品」ができません。
グローバルセラーが出品する場合、その都度、新規カタログ登録が必要です。
全く同じ商品であっても、それぞれのセラーごとに異なる商品ページで戦うことになります。
そのため、中国Amazonを攻略するには以下が大きなポイントとなるでしょう。
- 「売れる」商品ページづくり(タイトル、商品説明、商品画像等、キーワード)
- Amazon検索エンジンへの最適化(キーワード選定、レビュー集め等)
- 広告戦略(タイムセール、スポンサープロダクト等)
出品はすべて「新規カタログ」です。
これまで「型番商品の相乗り」を中心とした販売手法を行ってきたセラーにとっては、考えなければならないことが多いと思います。
オリジナルブランドに取り組み、日本やアメリカで成功実績をもつセラーであれば、その販売戦略の方法論を中国Amazonでも当てはめ挑戦してみるとよいでしょう。
より売れるためのページ作りについては、当ブログの
Amazon 検索エンジン「A9」を攻略し売上を伸ばすには?
を参考にしてください。
セミナー内で成功事例として紹介されている某メーカーの石鹸がありました。
商品ページを確認しみてみると、やはり商品ページはしっかりと作り込まれているものでした。
Amazonグローバルセリングチームの出品サポート
Amazonには「Amazonグローバルセリングチーム」と言って、出品者の海外販売の支援を行う部署が存在します。
Amazonグローバルセリングチームでは、出品のサポートも行っています。
支援を受けることができれば、スムーズに出品できるでしょう。
そのサービス内容のひとつに翻訳、在庫ファイル作成の代行があります。
- 英語→中国語の変換 400ASINまで
- 日本語→中国語の変換 100ASINまで
出品ファイルを引き渡すことで翻訳作業を無料で代行してもらえます。
これを使わない手はありません。
ただし、グローバルセリングチームが対応できるセラー数には限りがあります。
サポート希望しても必ずしも支援を受けられるわけではありません。
中国Amazonの物流
中国Amazonへ進出するとき、法律の事情により物流も他国とは異なる対応が求められます。
FBA利用ができない
日本からのグローバルセラーはFBAの利用ができまけん。
そのため、エンドユーザー向けへの個別の配送体制を構築しなければなりません。
中国AmazonでFBAサービス自体は存在します。しかし、FBAが利用できるのは、中国国内のセラーに限られています。
この理由は、Amazonの規約ではなく、中国の法律の関係上グローバルセラーはFBA利用ができないようです。
私個人としては、仕入れ元の国から直接中国のAmazonFBA倉庫へ納品し販売しようとしていました。
例えば、アメリカ→中国FBA直送、ドイツ→中国FBA直送、香港→中国FBA直送などです。
残念ながら、その実現は難しそうです。
関税元払いで発送する
関税元払いでエンドユーザー向けに商品を送る必要があります。
(セミナー内では日本郵便のEMSで関税元払いすると説明がありました。
しかし、EMSで関税元払いはできなはずなので、おそらくUGXの誤りだと思います。
元払いにする他の方法としては、クーリエ(DHL、FEDEX、UPS等)でも関税元払いができます。
クーリエは通常料金では非常に割高になってしまうためディスカウント契約は必須です。
また、セミナー内では物流業者の紹介もありました。
中国Amazonの決済
決済についても準備が必要ですが、すでに米Amazonでの進出経験がある方なら難しくはないでしょう。
顧客と中国Amazonとの間での決済のやりとりは、出品者は直接関知する必要はありません。
これは、他国Amazonと同様ですね。
Amazon中国から日本の銀行で直接売上金を受け取ることはできません。
そこで、以下の決済サービスプロバイダーを利用します。
Lian Lian payはワールドファーストのパートナー企業です。
すでに、ワールドファーストのアカウントを持っている場合は、ワールドファーストのサポートに中国元の追加希望の旨を申し込んでください。
申し込むと数日後、ワールドファーストのアカウント上で中国元が追加されます。
また、
ペイオニアでも「中国元」対応していますので、こちらを使うことも検討しましょう。
ただし、現在のところ、すべてのペイオニアユーザーが標準で「中国元」を使えるわけではないようです。
自分のペイオニアアカウントを確認し「中国元」がない場合、ペイオニアのサポートに問合せてみましょう。
※ペイオニアで実際に中国Amazonの売上受取ができるかは未確認です。
ワールドファーストもペイオニアも米Amazonで販売している方からすれば、すでに、お馴染みのサービスですね。
これらのサービスを利用することで、現地に渡航することなく、在宅で中国Amazonのための決済の準備を整えることができます。
まとめ
- 中国Amazonで販売するという選択肢がある
- 中国Amazonは出品には条件満たさなければならない。
- Amazonグローバルセリングチームのサポートを受けることができれば出品がスムーズ
- 決済にはLian Lian payをつかう
- 中国Amazonでは「相乗り出品」禁止
- 中国AmazonではFBAが利用できない。
中国のEC市場規模はとてつもないほど大きく、かつ、まだまだ伸びしろを秘めている場所です。
中国Amazonで日本人のセラーの数はまだまだ少なく大きなチャンスの可能性があります。
条件を揃えることができる人は、ぜひ、今後の販路として展開を検討しましょう。
王道の米国、日本以外の販路としてカナダのAmazonについて紹介しています。こちらの記事もチェックしてください。
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