個人でも取り組める物販で大きな成果が期待できる販売戦略は大きくわけて次の3つです。
- 輸入代理店として独占的に販売
- オリジナル商品の販売 ※本記事での解説
- システム管理された大量商品の販売(在庫を持たない無在庫販売も可能)
この記事では、2つ目の「オリジナル商品販売」の全体流れが掴めるよう解説します。商品の仕入れ先とするのは「中国の工場」、販路は「Amazon.co.jp」です。
目次
個人でもできる中国輸入オリジナル商品販売とは?
個人でも、中国でオリジナル商品をつくり販売できます。 一言で説明すると、「既存の売れてる商品を参考にして、その商品を上回るよう改良を加え、独自化する販売方法」です。
個人でもできるオリジナル商品開発「OEM」とは?
OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、委託者のブランドで製品を生産すること、または生産するメーカーのことです。これだけ聞くと、とても個人規模で出来るような話しではないと思うかもしれません。
中国輸入オリジナル商品販売のデメリット
中国輸入オリジナル商品販売に限った話しでなく物販全般に言えることですが、最大のデメリットは在庫を抱えるビジネスである点です。
市場リサーチや販売戦略が噛み合わない場合、商品は売れません。また、特に仕入れ元が中国の場合、仕入れ先の選定を間違えると「売り物にならない大量のゴミ」が送られてくることになります。
中国輸入OEM商品販売の進め方は?
中国輸入OEM商品販売は次のステップですす
- 市場規模をリサーチする ※重要
- 取り扱う商品を選ぶ
- 商品をオリジナル化し競合にマネされないようにする
- 仕入先の選定と商品サンプル発注
- 商品を本発注
- 商品ページ作成
- AmazonSEO(検索結果の上位表示)
ステップ1 市場規模を調べる
はじめに「どんな商品が月にどのくらい売れているか?」市場の大きさを調べ、参入するカテゴリを決めます。
- 市場の大きな商品、カテゴリか?
- 参入しライベルに勝てる商品を作れるか?
- 取り組んで情熱を持てる商品か?
市場の大きい商品、カテゴリを見つける
中国輸入OEMで市場のリサーチは最も重要なのは、需要の大きい商品、カテゴリを扱うことです。Amazonの情報を活用し、購入者のニーズを把握します。どんなに品質の良い商品でも、需要がなければ大きな売り上げは見込めません。
市場の大きさを確認するには?
市場の大きさは、Amazonが公開している売れ筋商品ランキング「Amazonセールスランキング」で確認します。ランキングに並んでいる商品は実際に売れている商品の答えそのものです。各カテゴリランキングの上位には、1品目で月商数千万円を売り上げる製品さえあります。
次に確認するのは「末端カテゴリ」の規模。そのカテゴリの1位とれば、どれくらいの売上が見込めるのか?を算出します。
末端カテゴリとは?
例)シューズ&バッグ > メンズ > シューズ > ビジネスシューズ
上記カテゴリでいえば、「ビジネスシューズ」をさします。
枝分かれしたカテゴリの末端です。
ツール、プログラムを駆使して一括データ取得し分析する
市場リサーチでは、多くデータを集めます。データ取得を効率的に行うには、次の方法があります。
- Amazonが提供している公式のデータ取得方法(API、MWS)
- WEBスクレイピング
- ツール(Nint for Seller)
コピー&ペーストでのデータ集めは肉体労働です。
一括データ取得の方法について詳しくは「Amazonからデータ取得する方法、活用アイデア まとめ」解説してます。
競合が強すぎる商品は参入をさける
競合の販売者が強すぎる商品は参入をさけましょう。例えば、トップ3の商品のレビュー数が1000件を超えるようなカテゴリは
追い抜くことは困難ですので、参入は控えた方が無難です。
ステップ2 扱う商品を選ぶ
売れている商品カタログやレビューを参考にして商品改良点をリストアップします。商品に付加価値をつけ競合に勝つための改良点を検討します。
ベンチマーク(参考)とする商品ページの決定
改良点に優先度をつける
全ての意見をとりいれ、開発に反映するのは、現実的ではありません。商品改良では、複数の改良候補の中から、優先度をつけましょう。
ごく少数の意見や、改良にあまりにコストがかかるものは検討外とします。
オリジナル商品の利益率は?
ステップ3 商品をオリジナル化し「相乗り」を防ぐ
ターゲーティングとセグメンテーション
商品のターゲーティングとセグメンテーションを考えます。
「相乗り」の対策するには?
「相乗り」の対策には、オリジナルブランド化し他の人が真似できないものをつくります。
- オリジナルのブランド名
- ロゴの作成
- JANコード(バーコード)の取得
- オリジナルパッケージの製作
- 商標権の取得
これらを行うとき、重要な考え方は、なんでも全て自分で自己解決しようとしないことです。必要に応じて予算を割り当て各専門のプロに任せます。クラウドソーシングサイトの活用が便利です。
オリジナルのブランド名を決める
オリジナルのブランド名を決めます。よい名前が思いつかないときは、クラウドソーシングサイト(クラウドワークスやランサーズ)からネーミングを募るのもおすすめです。複数の商品展開を考えている場合、ブランドとしてのトーン&マナー(世界観)も重要です。
クラウドワークスは企業も利用しているサービスで、受注者にはレベルの高いフリーランスデザインナーがいます。
また、ブランド名を決める時は、すでに先に商標取得していないか、プラットパットで事前に確認しておきます。
オリジナルのロゴを作成する
仕入れ元の工場に商品へのロゴ入れを依頼するとき、「ai形式」でデータを渡すことが一般的です。
GS1事業者コード(JANコード)の取得する
JANコードとは、商品に貼り付けるバーコードのこと。コンビニやスーパーのレジで商品を読みとるときのあのコードのことです。
JANコードは、個人でも簡単に取得できます。
JANコードを作成するためには、まず、「一般財団法人 流通システム開発センター」に申請し、「GS1事業者コード」を付与してもらいます。
GS1事業者コードは個人でも申請し取得することができ、インターネットからでも手続きできます。1つの「GS1事業者コード取得」に対して、1000商品までJANコードを作成できます。
オリジナルパッケージを製作する
- 日本のパッケージ会社に依頼する方法:パッケージを製作するは、日本国内がオススメです。業者を探すには、「化粧箱 オリジナル」等で調べる
- 中国の工場に依頼する方法:パッケージは仕入れ元側で用意できる場合もあります。パッケージのカスタマイズは可能か工場側に確認をとりましょう。
- 中国のパッケージ専門業者に依頼する方法:中国では、パッケージ作成を専門とする業者が多数存在します。中国の問屋アリババ・ドットコムから「package oem」等で業者を検索することができます。
2.作成した展開図を印刷会社に入稿する
商標権の取得はプロに依頼する
ステップ4 仕入れ先の選定とサンプル発注
アリババで仕入れ元の候補を探す
アリババは多くわけて2種類です。
- 中国アリババ:中国の業者向け。主な使用言語は中国語
- Alibaba.com(グローバル版):世界の企業向け。主な使用言語は英語
複数の業者から商品サンプルを取り寄せ実物チェック
- 日本の向けに輸出実績のある工場を見つける
- サンプルは複数の業者から取り寄せる
「商品の品質」「商品原価」「ロット数」
- 品質
- 原価
- ロット
ステップ5 商品を本発注する
- 直接支払いできる場合は、直接支払う。(海外送金、ペイパル)
- 代行業者に依頼し支払う
- 中国パートナーを経由し支払う
ステップ6 魅力的な商品ページを作成する
商品ページを作成します。ページを作成するときに考えなければならないのは、「転換率」と「集客」です。WEB物販での基本の公式になぞらえて考えます。
転換率とは、訪問客数に対して商品が売れる確率です。
例えば100人が商品ページを見て1人が買ったとき、転換率は1%です。
商品画像作成
商品ページ作成
- タイトル
- 商品箇条書き
- 商品説明
- 商品商品コンテンツ
- キーワード
ツールを使って機械的にキーワードを集めるだけでなく、「その商品を買うお客さんは、どんなキーワードで検索するのか?」想像力を働かせることも重要です。
転換率の高いページを目指す!
ステップ7 AmazonSEO(Amazon検索エンジン最適化)
単に「SEO」と言った場合、グーグルで検索結果上位に表示のための施策を指します。「AmaonSEO」とは、Amazon内でキーワード検索したとき、検索結果の上位に表示できるようにするための施策のことです。
なぜAmaonSEO(Amazon検索エンジン最適化)が必要なのか?
戦略的な値下げで販売個数を稼ぐ!
広告を使い集客する
商品ページへのアクセスを集めるためには、広告を使います。
Amazon内の広告
- Amazonのスポンサープロダクトで集客(オート、マニュアル)
- Amazonタイムセール
- Amazonヘッドライン広告
- Amazon商品ディスプレイ広告
Amazon以外の広告例
良質な商品レビューを集める
価格を戻す
ステップ8 商品改良する
複数販路への展開
「中国輸入→日本Amazon販売」の後のステップとして、販路は幅広く展開しましょう。それぞれの媒体でしか買い物をしない客層もいるためです。
国内の販路(BtoC)
国内の販路の一例です。
- ネットショップ
- 楽天
- ヤフーショッピング
- qoo10
- クラウドファインディング(マクアケ、グリーンファンディングなど)
国内の販路(BtoB)
消費者向けだけでなく、事業者向けの卸販売を行うという選択肢もあります。
- Amazonベンダーエクスプレス
- ネット卸(楽天BtoB、ネッシー等)
- 家電量販店
「Amazonに対して、商品を卸販売」ができる、Amazonベンダーエクスプレスという仕組みがあります。
海外販路
さらなる応用として販路は日本のみに留まりません。
海外販売という選択肢です。
- 中国輸入→米Amazon販売
- 中国輸入→Amazonカナダ販売
- 中国輸入→欧州Amazon販売
- 中国輸入→ebay販売(世界最大規模のオークションサイト)
- 中国輸入→Newegg(米国のエレクトロニクス商品の販売サイト)
- 中国輸入→海外向けネットショップ販売
中国の工場から海外のAmazon倉庫に商品を送り販売ができます。AmazonのFBAという仕組みを使えば、受注・発送対応はAmazonが行ってくれます。「BigCommerce」 や 「Shopify」など、ショッピングカートを構築するシステムも充実しています。
決して「誰でも」「片手間」「簡単」にできる方法ではありません。特に立ち上げの段階でやることは多く、勉強時間も作業時間も必要です。
ただし、軌道に乗せてしまえば、仕入れの取引先1社、取り扱い商品10種類以下、1ヶ月に1度の発注、1ヶ月の実働作業時間1日以下で「月商300万円、利益100万円」も目指せます。